盆と正月に帰省することの無い東京ローカル人の私ですが、幼少の頃に母方の実家に何回か帰省した事があります。母方の実家は東北にあり、先祖代々お墓のお守りをしている本家筋で、お寺さんとの付き合いも600年近く、私と同い年の従兄弟で21代目。つい16代目ぐらいまでは、大人になったら代々続く名前を襲名する家だったそうです。

家族5人揃って(姉・私・弟)母の田舎にお盆帰省したのは、父が亡くなる直前の小学5年生の夏休みが最後でした。何だったか忘れましたけど、その年は何年かに一度の盛大にお盆を祝う年で、本家には親戚という親戚が集まってくる年でした。もちろん迎え入れる本家は大忙しで、大人達も私達子供らも皆んな総出で準備します。子供だから大して役にも立たないんですが、まあそれもまた楽しい感じで。

600年前のご先祖様を思い、その中の誰か一人でも欠けていたら今の自分はいなかったんだなと思うと不思議です。命のつながりや自分のルーツを考え、今ここに健康で生きさせてもらっている事を思うと、自然と感謝の気持ちが湧いてきます。自分のルーツやDNAを考えるのって面白いです。ひとつ前の記事にも少し書きましたが、私の母はこんな家系で育っているので仏の道に関する考えを強く持っている人ですが、とはいえ厳密でもなく正直かなりザックリした人です。

浄土真宗って金ピカの仏壇ということ以外は大して決まり事もなく、位置や飾りのしきたりも無く、自分達がお参りしやすいように、という中々のフリースタイル。厳密に言うと、お焼香のお作法とかは最低限教わりましたが、母の田舎の皆様も、まあ別にとらわれる必要は無いよ、みたいなカジュアル感。心で思う方がもっと大切という教えなんですって。

600年続く立派でデッカいお墓も、この年にリューアルしたとの事で、皆んなでお墓参り。メインの墓石の隣には、先祖代々当主の名前が刻まれた石版。ところがよく見ると、初代○○家宗十郎さんから3代目までは名前がありましたが、そこから15代目までは省略されて「〜」みたいな表示になっていました。。。えっ?!こんなんでいいの??と、叔母に聞いたところ、あーいいのいいの、どうせ全員同じ名前だし、だそうです。えー、なんかすごいザックリしてんなー!

お経の後は集まった親戚一同で、本家の仏間で会食があり、どんちゃん騒ぎ。そこでは、いつも16代目宗十郎さんのことが話題になるそう。なんでも、それまでは地元の名家で見渡せる範囲は全てこの家の土地だったそう。ところが16代目宗十郎さん、とんでも無く女癖の悪いアホウだったようで、たくさん女もいたそうで、ある日、入れあげた女と土地の権利書を凧で飛ばして遊んでて失くしてしまったそうです。その代以降この家は没落の一途を辿ったそう。お盆のたびに親戚一同で16代目の話をし、その度に大笑いをしているそうです。こんな代々続く家系なのに、母の実家はわりと質素で普通の家なのはこんな理由があったのね。末代までの語り草ってこの事ですね。笑

16代目宗十郎さんも、代々続く浄土真宗の家系なのにザックリしてるのも、ぜーんぶ自分を作っている一部なんだなと思うと、なんか可笑しいと言うか納得できると言うか。最近は、こんなお盆らしいお盆を過ごす事も家族で集まる事も無いのですが、少しだけご先祖様と家族のことを思って自分の心の中で感謝すれば、どんな形であれそれは良いお盆なのだと思います。

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